ちょっとドイツに寄り道です!

訪れた場所:ドイツ

▲フランクフルト・レーマー広場

 ノルウェーのトロムソからオスロを経由し、ドイツ中部に位置するフランクフルトに。近代的な高層ビル群と中世の面影を残す旧市街が共存する街で、金融都市としての顔の一方で、文学や宗教、そしてビール文化に彩られた深い歴史が感じられます。
 今回の旅では、そんなフランクフルトの街を歩きながら、名所を巡り、土地に根付いた料理と酒を味わい、この街ならではの魅力をじっくりと堪能していきます。

醸造所が営むレストランに

▲Café Hauptwache

 街をブラブラと散歩しながら、かつて警備本部兼監獄として使われていた建物を改装したカフェ「Café Hauptwache」でビールを飲み、ひと休み。歴史を感じる空間で味わう一杯は、旅の気分をいっそう高めてくれます。
 その後、予約していたレストラン「Zu den 12 Aposteln」へ向かった。ここはフランクフルトで最も古いビール醸造所のひとつが運営する人気店で、店名の「12 Aposteln」は聖書に登場する12使徒を意味しているらしい。ドイツでは古くから、修道院で修道士たちが断食期間を乗り切るため、栄養価の高い“飲むパン”としてビールを醸造してきた歴史があり、その背景を感じさせる名だという。一階は予約客専用、地下は予約なしでも入れる仕組みだが、地元客から観光客までで常に賑わっており、確実に入店したいなら予約は必須かな。

 料理はビールによく合う伝統的なドイツ料理が揃う。まずはHandkäse(ハンドケーゼ)。フランクフルト周辺でのみ作られる低脂肪・高タンパクのチーズで、独特の酸味と香りがあり、地元でも好みが分かれる一品だ。バターを塗ったパンに、チーズ、デーツ、ドライトマトを合わせて頂きます。ちょっと苦手だったかな。
 続いてSchweinehaxe(シュバイネハクセ)。豚のすね肉をじっくりローストした骨付き肉は迫力満点で、皮はパリパリ、中は驚くほどジューシー。噛むほどに豚肉の旨味が広がります。これは旨い!ビールがすすむヤツです。
 さらに、ソーセージの盛り合わせWurstteller(ヴルストテラー)を、たっぷりのザワークラウトとともに堪能しました。名産のアップルワインから始まり、やはりビール。雰囲気、料理、ドリンクのすべてが揃った、さすがの人気店でした。

▲Handkäse(ハンフェアドケーゼ)

▲Schweinehaxe(シュバイネハクセ)

▲Wurstteller(ヴルストテラー)

緑のフランクフルト名物

 翌日は、聖パルトロメウス大聖堂(フランクフルト大聖堂)やレーマー広場を巡り、ドイツ文学の父ゲーテの生家と隣接するゲーテ博物館へ。忠実に復元された建物と、工夫を凝らした展示内容は非常に見応えがあり、文学に詳しくなくても楽しめる素晴らしい施設でした。

 昼食はクラインマルクトハレ市場へ。地元のグルメや食材が並び、食べ歩きが楽しい市場です。なぜかパニーニの店が多いのも、この市場の面白いところ。母娘と思われる二人が切り盛りするカフェ風の店で、パニーニとドイツビールを頂きました。

▲クラインマルクトハレ市場

▲市場のパニーニ

▲グリューネゾーセとシュニッツェル

 夜はフランクフルト名物のグリューネゾーセを味わう。数種類のハーブを使った緑色のソースで、茹でたジャガイモやゆで卵に添えて食べるのが定番。「緑の木曜日」と呼ばれる復活祭前の木曜日に初物を食べるのが伝統だそうで、文豪ゲーテも愛したという。さっぱりとした味わいで、ハーブの爽やかさとサワークリーム、ヨーグルトの酸味、固茹で卵の食感がよく合います。
 このグリューネゾーセをオーストリア名物のシュニッツェルに添えると、フランクフルト風になります。これもまた美味で、ドイツ料理はこってりした肉料理ばかりという先入観を良い意味で裏切ってくれます。思いがけない味との出会いも、旅の大きな収穫ですね。

寄り道の終わり、旅はまだ続く

 ビールとソーセージの国、というイメージで訪れたフランクフルトだったが、実際に味わったのは、それだけでは語り尽くせない奥深い食文化だった。修道院の歴史に育まれた醸造所の料理、市場で気軽に頬張る軽食、そして爽やかなハーブが香る郷土料理。どの一皿にも、この街の日常と歴史が静かに溶け込んでいます。

 名所を歩き、杯を重ね、土地の味を知ることで、フランクフルトはいつの間にか「通り過ぎる街」ではなく、記憶に残る街へと変わっていきました。
 さて、次はどの国へ向かおうか。北欧に戻るか、それともまだ見ぬヨーロッパの街へ足を延ばすか。そんなことを考えながら、もう一杯のビールを飲み干し、ドイツ編の旅にひと区切りをつけることにしました。

written by Nob2

20代からホテル、飲食サービス業に従事、福岡市のホテルイルパラッツォ、北九州市の門司港ホテル、札幌市のジャスマックプラザホテルなどの経営に携わる。2006年、ワールド・グルメ・バイキング宮崎山形屋店をオープンさせ話題に。2019年、全事業を売却しフリーのコンサルタントに。様々な国や地方の食文化を学びながら、モットーである、サービス業を通して「街を元気に、街の暮らしを豊かに」するを実践中。

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