
多民族国家マレーシアの食と歴史を巡る

訪れた場所:クアラルンプール(マレーシア)
指差し注文で乗り切る、クアラルンプールの夜
夜、クアラルンプールに到着。チャチャっと晩御飯を済ませて寝ようと、ホテルのすぐ隣のローカルレストランへ。こちら「Nasi Kandar Pelita」は、マレーシア最大のナシカンダーフランチャイズ店だそう。
カフェテリア風の造りだが、オーダーの仕方がよく分からず迷っていると、地元の方が親切に教えてくれて一安心。それも束の間、貰った英語メニューを見たが分からな過ぎる……。例えば、AYAM CINCANG SPECIALという料理。スペシャル以外は英語じゃないよねー(笑)。とりあえず写真を見ながら指差し注文で乗り切りました。

▲ローカルレストランのエントランス

▲難解なメニュー
出てきたのはチキンのプレート。付け合わせは、ゆで卵と胡瓜、揚げたピーナッツみたいなやつでした。カンボジア料理よりグッとスパイシーで、旨みがあり深い味わいのような気がします。辛いものは苦手な方ですが許容範囲内で、美味しく頂きました。
更に麺類も食べたいと、ミーゴレン風の焼きそばも注文。タンドリー風チキンも追加。結構ピリ辛ですが美味い。マレーシア料理はハズレがないなぁ。出来ればもっと色々食べてみたかった〜。明日に備えてホテルに戻り、早々に寝ます。

▲チキンプレート

▲ヌードルプレート
海の大動脈と世界遺産マラッカ

▲世界遺産の丘、セントポール教会
インド洋と南シナ海を繋ぐマラッカ海峡。マレー半島とスマトラ島に挟まれたこの狭い海峡は、年間9万隻以上の船舶が行き交う「海の大動脈」です。
その海峡沿いに佇む街、マラッカ。東西貿易の要衝として栄華を極めたこの街は、ポルトガル、オランダ、イギリスといった欧州列強の支配下に置かれ、長い植民地時代も経験。そんな波瀾万丈な歴史は、西洋とアジアの文化が織りなす街並みを育み、多文化共存の歩みが世界遺産として高く評価されました。
クアラルンプールから車で2時間ほど。日帰り観光でしたが、泊まればよかったと後悔するほど素敵な街でした。
オランダ広場やセントポール教会、ババ・ニョニャヘリテージ博物館、青雲亭仏教寺院などの主要な観光地を巡った後は、観光客にも人気のヒーレンストリートにあるニョニャ(プラナカン)料理の店「Kocik Heritage Nyonya Restaurant」でランチを頂きました。
プラナカンとは、中華系移民男性と現地のマレー人女性の間に生まれた子孫を指し、そこから生まれたプラナカン料理は、中華とマレーの食文化がミックスされ、スパイスやココナッツミルク、ハーブをたくさん使った郷土料理。シンガポールで食べて大変気に入ったので、マレーシアで再挑戦。味はまぁまぁで、期待ほどではなかったけど、歴史的建築物でのお食事、雰囲気を満喫できました。

▲ニョニャレストランの外観

▲ニョニャ料理の数々
夜マレーシアを縦断する一つ星ディナー

▲Beta 店内
ミシュラン一つ星の「Beta KL」へ。オフィスビル風の入口から一歩入ると、中国の薬局をモチーフにしたバーカウンターが!「食で癒す」というコンセプトを象徴しているそう。
カウンターに並べられた本日の食材説明の後、席へ案内され、ネコ車(手押し車)に乗ったハーブと共にアミューズがサーブされてコースがスタートしました。マレーシアを北から南へ旅するイメージのメニューで、各地の食材と郷土料理へのオマージュが光ります。
北部からの前菜は、コショウ科のカドクの葉を添えた海老、鴨のペルカサム風、アイオリソースのとうもろこしの盛り合わせ。イーストを使わないパンも洗練された味わいです。
東部からはラクサム、そしてピナサカンとトゥハウをベースにした帆立、牛のショートリブ黒煮込みなど、郷土料理がモダンにアレンジされた皿が続きます。
メインは中部と南部から魚、和牛、鴨の選択制。14日間乾燥熟成させたチェリーバレー種の鴨肉は、最適な火入れで秀逸だった。追加でマレーシア在来種のお米とキャビアをトッピングした鮑のリゾットも注文。

▲鮑のリゾット

▲メインの鴨肉

▲スペシャリテのデザート
ここでの時間は、ドアを開けた瞬間から驚きの連続。ゲストを“おもてなし”するというゴールに向けて、様々な工夫がされていました。まさにファイン・ダイングの鏡みたいなお店でした。
ナシゴレンと宗教建築、そして黒バク
マレーシア最終日の朝ごはんは、初日に行ったローカルレストランに。地元感たっぷりの食堂で、本場のナシゴレンを頂きました。タンドリーチキン付きでボリューム満点、結構辛かったけど満足です。
その後、インド外内最大級のヒンドゥー教の聖地で、巨大なムルガン神の黄金像と洞窟へと続く272段のカラフルな階段で有名なバトゥ洞窟を見学しに出かけました。加えてブルーモスクやピンクモスクなど、国教であるイスラムのモスクも巡り、マレーシアらしさを存分に味わいました。

▲バトゥ洞窟

▲ピンクモスク

▲黒バク
マレーシアでの最後のランチは、一度食べてみたかったバクテー、通称「黒バク」を頂きました。シンガポールの「白バク」と比べると、醤油が効いて色も濃く、胡椒の辛さは控えめなのが印象的でした。関東と関西のうどんのように、場所が変わるだけで同じ料理でもこんなに違うんですね。食文化の差って、本当に面白い。
短い滞在でしたが、マレーシアの旅は新たな気づきや学びがたくさん。またぜひ訪れたい街でした。
written by Nob2
20代からホテル、飲食サービス業に従事、福岡市のホテルイルパラッツォ、北九州市の門司港ホテル、札幌市のジャスマックプラザホテルなどの経営に携わる。2006年、ワールド・グルメ・バイキング宮崎山形屋店をオープンさせ話題に。2019年、全事業を売却しフリーのコンサルタントに。様々な国や地方の食文化を学びながら、モットーである、サービス業を通して「街を元気に、街の暮らしを豊かに」するを実践中。



