
バンコクはやっぱりグルメ天国!

訪れた場所:バンコク(タイ)

10年ぶりにタイの首都バンコクを訪れた。アレッタでも時々登場するタイ料理、先ずはその三つの魅力をサクッとご紹介。
第一の魅力は味の四大要素、甘味・辛味・酸味・塩味の絶妙なバランスが素敵。甘酸っぱ辛い魅惑のハーモニーは和食にはない世界観です。
次に香りの個性が魅力的。スパイス&ハーブの豊かな香りは、国際交易拠点として栄えたアユタヤ王朝の歴史が息づく食文化の深みを感じさせてくれます。
最後の魅力は地域ごとに異なる食文化があること。ラオスやミャンマーに近い北部は優しい味付け、イーサン料理に代表される東北部は濃厚でスパイシー。マレーシアの影響が強い南部はココナッツたっぷりのお料理が楽しめる。そして中部はその全てが融合しながら発展した感じで、食を愛する者としては、この多彩さに惹かれてしまう。自称フーディとしては、タイは大注目の外せない国なのです。
サイフォンで仕上げるアレに感動
初日のディナーは、おしゃれなレストランやカフェが集まり、洗練された地域として富裕層も多く住むトンロー地区にある「R-Haan(アハーン)」に。バンコクに7軒あるミシュラン二つ星の一つです。因みに三つ星は一軒のみ。
地元タイの食材のみを使い、宮廷料理や郷土料理などタイの食文化をベースに、料理が人々や伝統に及ぼしてきた過程を表現したコースが楽しめる人気店だ。
印象に残ったのは、タイ各地の食材と食文化を表現したアミューズブッシュ。タイの地図を描いたお盆で運ばれてきたそれは、かなりのインパクト。そして、コーヒーサイフォンで提供されたトムヤンクンも忘れられない。下のフラスコに入ったスープが蒸気圧で、ハーブがたっぷり入ったロートに移動し、火を消すとハーブの香味たっぷりのスープがフラスコに戻ります。それを具材が盛り込まれたお皿に注いで完成するという一品。こんな演出は初体験!中々のエンターテイメント、深みのある味わいで記憶に残る一品でした。他のお料理も良く工夫されていて美味しく、さすがミシュラン二つ星だと感心の連続でした。

実はフードコートがかなり面白い
バンコクはとにかくショッピングモールが多く、スタイルも様々で、あちこち回るだけでも観光になる。そんなショッピングモールの個性を象徴するのがフードコート。比較的リーズナブルに、ストリートフードから高級志向の有名店まで幅広い選択肢があり、食べられるジャンルも様々でとにかく楽しくて仕方ない。

BTSアソーク駅に直結した「ターミナル21」は空港がテーマのショッピングモール。フロアごとに東京、サンフランシスコ、パリ、ローマなど都市名が付けられ、そのイメージでそれぞれの内装が施されています。
その5階にある「Pier21」は、バンコク最強との呼び名も高いフードコート。約30店舗が入っていて、ガパオライスやパッタイ、グリーンカレーといった定番タイ料理からベジタリアン対応の料理やデザート類までバラエティに富んだメニューが揃います。しかも価格はかなりリーズナブル。なんでもモール側が広告費代わりに家賃無料で貸し出しているからだそう。確かに凄い集客装置でかなりの人気、席を確保するのが大変なのが玉に瑕ですが。
そこで頂いたのはタイ料理のど定番「ガパオムーサップ」。タイ語で「ムー」は「豚肉」、「サップ」は「叩く様にして細かく切ること」の意味で、ひき肉をバジルなどと炒めたものをご飯にかけて食べるアレです。価格はなんと50パーツ以下、驚きの安さですが、味も良くて素晴らしい満足度で、観光客にも地元民にも大人気というのも頷ける。

もはやテーマパーク、立派な観光地だ
そしてもう一軒人気のフードコートをご紹介。チャオプラヤ川沿いに位置するタイ最大級の複合商業施設「アイコンサイアム」内の屋内型水上マーケット「スークサイアム(SookSiam)」がまた物凄い。タイ全77県から、それぞれの都市の名物グルメや特産品が集結していて、タイ文化をワンストップで丸ごと満喫できちゃいます。
館内をゆっくりと散策しつつ、ランチのお店を物色。雰囲気のよいタイ料理のお店に入店。ここでカレーの定食を頼むと、食べたことがないお料理が色々ついてきてびっくり。せっかくなので、豆腐を紅麹で発酵させた中国由来の調味料「紅腐乳(タオフーイー)を使った麺も注文。見た目からして辛そうだが、食べてみると驚きの辛さでびっくり、流石に完食ならずでした。
バンコクのショッピングモールは規模もデザインも桁外れ。日本とはレベルが違い過ぎで、観光客から地元の方々までを楽しませるテーマパークです。タイを訪れた際には、寺院巡りも素敵ですが、ショッピングモールで過ごす時間も満喫してくださいね。

進化を続けるバンコクは刺激的なグルメシティ

10年前に初代アレッタ宮崎店料理長と旅をしたバンコクに久しぶりの再訪でした。現地を訪れてその土地の歴史や文化を学び、実際に地元の食を味わってそのエッセンスを吸収する。それを日本人にも楽しめるようレシピ化したのがアレッタのお料理の原点でした。その当時を思い出しつつ、更なる発見に刺激を受けた4日間。進化を続けるバンコクはミシュラン星の高級店から、ローカルなストリートフードまで、ありとあらゆる料理が楽しめるグルメ天国になっていました。やっぱり旅とグルメはやめられない。
written by Nob2
20代からホテル、飲食サービス業に従事、福岡市のホテルイルパラッツォ、北九州市の門司港ホテル、札幌市のジャスマックプラザホテルなどの経営に携わる。2006年、ワールド・グルメ・バイキング宮崎山形屋店をオープンさせ話題に。2019年、全事業を売却しフリーのコンサルタントに。様々な国や地方の食文化を学びながら、モットーである、サービス業を通して「街を元気に、街の暮らしを豊かに」するを実践中。



