沖縄ではこれ食べましょう

訪れた場所:沖縄(日本)

沖縄に初めて足を踏み入れたのは、17年も前のことだが、40歳を超えてからの些か遅めのデビューでした。それ以来、出張やプライベートの旅行を含めて100回以上訪れていて、風景や文化、人々とのふれあいを通じて、沖縄への愛着が深まりました。青い海と空、心温まるおもてなし、美味しい食べ物、すべてが心を魅了してやまない街です。
17年前の那覇は、まだまだ発展途上って印象で飲食業界のレベルもあまり高くなかったが、年月が経つにつれて那覇のグルメシーンは著しく進化、ハイレベルなレストランやハイセンスなカフェが立ち並ぶ街へと変貌を遂げていきました。今ではまるでミニ東京的な様相を呈していて、訪れるたびに新しい発見があり、飽きることがありません。今回はそんな沖縄のオススメグルメのご紹介です。

オーナーが作るお袋の味が最高

那覇に行く知人から「どこか良い店」って聞かれて先ず真っ先に紹介するのが「オニノウデ」。泡盛専門店ですが、実はこちらお食事が美味しいのです。オーナーが作る沖縄料理は、お母様のレシピを引き継いだもの。ご自身が体調を崩した際に食事を見直すことで健康を取り戻した経験から、良い素材を使い、伝統的な調理法で作り上げる沖縄料理の魅力を再発見したという。そこに新たな要素をプラスして、独自の世界感を作り出したお料理はどれも驚きの美味しさです。

例えば「チーイリチャー」、チーは血、イリチャーは出汁を使って炒め煮にしたお料理のことで、詰まり血の炒め物。血を食べる文化は世界各国色々あるが、日本では珍しく、栃木の一部と沖縄ぐらいらしい。しかし、そんな沖縄でも最近は珍しくなったようで、食べたことが一度もありませんでした。
ちょっと調べてみると、本来はもっとグロい見た目のお料理らしく、金武あたりで今でもよく食べられているという。今回頂いたのは、これまた初耳の「ハンチュミ」をアレンジしたオニノウデオリジナル。ハンチュミは、ハワイのカルワピッグみたなお料理で、煮込んだ肉をほぐした一品。これを、血を使って食べ易く作ったのがこのメニュー。臭みは一切なく、濃厚な味わいが泡盛にピッタリ。滅多に食べられない逸品に感謝です。因みに器の赤も血の釉薬を使ったものだそう。こういったオーナーの“やちむん”コレクションも素晴らしく、焼き物好きの方にも、是非オススメしたいお店です。

変化球で楽しむ沖縄そばが良し

二軒目は沖縄そばのイチオシ店。観光客に人気の食べログ高評価店から地元で愛され続ける老舗店まで、50軒以上を食べ歩きましたが、最近のイチオシは壺屋にある「宮古そばSAIGA」。店名の通り沖縄そばの店ですが、お目当てはワーブニ汁。宮古島の方言でワー(ゥワー)は豚、ブニは骨のことらしく、メニューには“骨汁”とあります。宮古島風の豚汁ともいわれますが、ここの具材は肉のみ。テールスープをイメージすると分かりやすい感じです。無添加にこだわり手間暇かけたスープは抜群に美味い。ご飯付きでボリュームも満点です。残ったスープで頂く沖縄そばがまた堪らないのです。
直ぐ近くに行列必須の人気店「OKINAWA SOBA EIBUN」がありますが、断然こちらをオススメします。

締めはここのカクテルが最高!

最後は〆に最適なバーをご紹介します。19時を過ぎるとシャッターだらけになる牧志のアーケード街の奥の奥にある「ミクソロジーカフェ&バー リュウキュウドリンクラボ」。エッジの効いた沖縄の器で、個性溢れるコーヒー&泡盛カクテルが堪能できるお店です。こじんまりしているがその窮屈さがなんとも居心地が良くて大好きなお店です。
沖縄在住、オリジナリティダダ漏れの作家モノの器達が素敵過ぎて「あれで飲みたいって」、ついお代わりしてしまいます。県内のあちこちのコーヒーショップをまわり集めた自家焙煎のコーヒー豆と泡盛を使ったオリジナルのカクテルも秀逸。中でも好きなのが「エスプレッソマティーニ」で何度飲んでも感動もの、那覇市内で2店舗を経営するオーナーバーテンダーさんのトークも面白く、素敵な時間を過ごすことが出来る名店です。

変化の絶えない沖縄は注目度大

何度となく訪れている沖縄の中でも、比較的リーズナブルに、且つ沖縄らしさを味わえるイチオシのグルメをご紹介しましたが如何でしたでしょうか。沖縄にお越しの際は是非参考にして頂けると有り難いです。
まだまだ開発が進み観光客数は増加の一途を辿っている沖縄。それに合わせて食の世界でも、どんどん新たな試みが展開され目が離せません。グルメスポットのストックもまだまだありますので、第二弾、第三弾と続けていきたいと思います。お楽しみに!

written by Nob2

20代からホテル、飲食サービス業に従事、福岡市のホテルイルパラッツォ、北九州市の門司港ホテル、札幌市のジャスマックプラザホテルなどの経営に携わる。2006年、ワールド・グルメ・バイキング宮崎山形屋店をオープンさせ話題に。2019年、全事業を売却しフリーのコンサルタントに。様々な国や地方の食文化を学びながら、モットーである、サービス業を通して「街を元気に、街の暮らしを豊かに」するを実践中。

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